不動産鑑定士リスト

トップページ不動産鑑定士が答える不動産の無料相談>相談No.067

不動産鑑定士が答える不動産の無料相談

【皆様からのご相談内容と不動産鑑定士の回答】

相談No.067
●相談者:町の鑑定士さん(広島県)件名:中古事務所の売却に伴う修繕費等の負担

わたくしは一部上場企業の不動産処分担当をしています。当方(宅建業者)では,販売拠点の事業所(5階建)の閉鎖に伴い,当該事業所(土地;約2,000坪・約6,000万円,建物;延床約1,000坪・約8,000万円,計1億4千万円)を処分することとし活動してきたところ,約5年経過し,ようやく興味を示す顧客(法人)と本格的な協議をしています。この価格は,不動産鑑定士から示された概算額です。
■土地の価格は建付け減価等を考慮して算定されています。
■建物の価格は,不使用期間が長期間にわたっており修繕等の再投資が必要となること,および大規模事務所の市場性が低いことを減価要因として,再調達原価から経過年数を考慮した算定値に減価要因を△60%として算定されています。
この算定内容・結果にもとづき相手方と協議をしたいと考えています。

一方,相手方が現地検分したところ相当な修繕が必要となるようで,特に空調システム・エレベーターは,これまで点検してきておらず,相手方から稼働可否の確認を求められています。 
※電気系統・給排水系統は月1回の点検をしている。

当方としては,稼働可否を確認するための特別な調査は考えておらず,先ほどの鑑定士による算定内容・結果(修繕等の再投資を考慮した額)を説明して理解を得たいと考えていますが,相手方が納得するか不安です。というのも,価格の算定内容・結果と瑕疵担保責任とは直接リンクせず,仮に契約成立し,引き渡した後,瑕疵担保責任を追及してきた場合に,抗弁ができないように思います。

その場合は,法的責任は別として,「事前に修繕費を考慮した取引をしたのだから,そのような主張はしないでほしい」といった協議になるのでしょうか。それでも法的責任を追及してきてどうにもならなかったら,最終的には第三者(裁判所)の判断を仰ぐ(要するに訴訟)ということになるのでしょうか。

事前に修繕費を考慮した鑑定評価額により取引した場合,瑕疵担保責任はどのように理解したらよいのでしょうか。

★不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】からの回答

伊矢野 忠寿ご相談頂きありがとうございます。

この件は、不動産鑑定というよりは取引実務の話になると思われます。

まず、不動産鑑定で建物の市場性減価▲60%というのは、修繕費用を考慮しても、
まだ糊代のある価格だと推察します。しかし、詳細な調査をしていない以上、不動産鑑定士としても、
費用の見積もりは正確には出来ません。ですから、ざっくり▲60%といっても、それが相手方が想定している修繕費+αであれば納得するかもしれませんし、そうでなければ納得を得るのは容易なことではないでしょう。

実務上では、中古物件の場合、物件に瑕疵がある場合のリスクを売り主・買い主のどちらが負担するかについて
決まりはありません。ですから契約時に「空調システム・エレベーターについては稼働の可否は不明であるため、
対応費用として○○円を売買代金から差し引く」といった内容にすることは可能と思われます。さらに、それ以上に費用がかかった場合の負担を売り主が負担するのか、それ以上の負担を負わないとするのかも契約内容で決められます。隠れた瑕疵であれば、瑕疵担保責任の問題は出てきますが、今回は瑕疵があることがわかっているわけですから、契約で明確にしておけば、そのような問題は起こらないはずです。

仮にもめた場合、法的責任を追及されると言うよりは、まずは調停で話し合いになるでしょう。調停が成立しなければ、本訴(裁判)となりますが、その場合でも和解を勧められ、金銭的な解決になると思われます。

もっと詳しく知りたい様でしたら、弁護士にご相談ください。

>>不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】のページはこちら

無料相談のバックナンバー一覧のNo.067に戻る

無料相談の冒頭に戻る

このページの先頭に戻る

トップページ当サイトのご利用方法登録不動産鑑定士一覧損をしない不動産鑑定士の依頼方法
鑑定士が答える不動産の無料相談不動産鑑定士のコラム掲載を希望される不動産鑑定士の皆様へ
サイト運営会社のご案内不動産鑑定士リンク集Q&Aサイトマップ
不動産鑑定士List
▲このページの先頭に戻る