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不動産鑑定士が答える不動産の無料相談

【皆様からのご相談内容と不動産鑑定士の回答】

相談No.091
●相談者:ケンタローさん(埼玉県)件名:無道路地で再建築不可

現在借地に家を建てて住んでおりますが、地主から土地の買い取りを要求されています。ところが土地の現況が無道路地であり、いわゆる再建築不可物件です。関係する隣家から道路分の土地を買うか借りるかすれば解消されるのですが、日照の妨げを警戒しているので、地主が十年以上交渉をつづけてきても解決は困難な状況です。私としてはとりあえず再建築不可物件のままでも購入したいと考えておりますが、価格が問題になっています。無道路地の場合、相場からの減額率はどの程度が妥当か教えてください。

★不動産鑑定士【守田 実】からの回答

守田 実

こんにちは、横浜不動産鑑定の守田実です。ご相談内容を拝読致しました。

ご質問の件ですが、とても簡単にご回答できる内容では御座いません。
無道路地の底地評価は不動産鑑定士にとっても難しい案件のひとつです。

ただ、誤解を生ずることを恐れず、あなたのご質問に直球で答えるならば、こんな感じでしょうか。

土地価格×(100%-相続税路線価の借地権割合)×(100%-50%以上)=本件無道路地の底地価格

※(1-相続税路線価の借地権割合)は、すなわち底地割合となります。
※50%以上とは、本件土地は無道路地であり、ご質問の文章を読む限り、隣接地を買収して接道条件を満たすことは難しそうなので、少なくとも50%以上の減価率が必要だと判断します。また、この減価率については、無道路地が建築基準法の道路に至るまでの距離等も依存します。

無道路地の評価方法は幾つかの方法があります。一例となりますが、まず、[1]建築基準法の道路に最低限接道するように隣接地を買収する場合を想定し、[2]一体となった形状(旗竿地)の土地の評価を行い、[3]次に当該買収予定地部分の価格を査定し、[4]一体地の価格から当該買収費用を控除し、[5]さらに用地取得の可能性に対する不確実性を乗じた価格を求める方法があります。ご質問では、買収等することは「地主が10年以上交渉を続けてきても困難な状況」とありますから、用地取得の可能性は相応に低いものとなりますので、不確実性が高くなり上記50%以上というように減価率は高くなりますね。

{(建築基準法の道路に最低限接するように隣接地を買収することを想定した旗竿地の土地価格)-(買収部分の土地の価格)}×(100%-不確実性)

なお、買収部分の土地の価格はその土地の持つ個性を反映しない価格です。換言すれば、買収する土地が長細い場合や不整形な単独では使用し得ないような場合の土地であっても、それらの個別性は考慮しません。不確実性につきましては評価主体の恣意が反映される危険性もあります。つまり、不動産鑑定士の判断が大きく価格に影響される場合があります。

そのため、無道路地の評価にあたっては、上記に記述した方法以外にも、無道路地の取引事例を複数収集し、これと比較して求める方法などがありますが、現実的に無道路地の取引事例を多数収集するのは困難です。

底地の評価につきましては、上記でご説明したように単純に更地価格に対する割合という方法だけでは評価致しません。地代から求めた収益価格、底地の取引事例から求めた比準価格などを行い求められたそれぞれの価格を調整して評価額を求めます。

本件の無道路地の底地の評価に際して、借地権者であるあなたが買い取ることとなりますので、この点は評価上、考慮しなければなりません。第三者が当該底地を買うメリットは殆ど期待されません(土地を自由に利用ができず、低廉な地代収入しか得ることはできない)が、あなたが買い取るならば、土地は完全所有権に復帰し、土地利用が制限されない結果、第三者が買う場合よりも基本的に高く買っても良いようにも思えます。ただ、無道路地であり、再建築ができないことから、そのメリットは相応に低いとは思いますが。

本件のような特殊な土地の評価については、不動産の存する地元の不動産鑑定士に実際に評価してもらった方が早いと思います。その場合、地主さんとあなたの双方が連名で評価依頼をすると客観性がより担保されると思います。

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