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不動産鑑定士が答える不動産の無料相談

【皆様からのご相談内容と不動産鑑定士の回答】

相談No.108
●相談者:名無しさん(神奈川県)件名:共有物分割/不動産会社の査定との違い

共有物分割の訴訟中です。共有物は築40年以上で、使わなくなった事務所と住居(独立2世帯分)で、1世帯分を賃貸しています。不動産会社の査定は、A社は建物査定マイナスで現状のまま売却、B社は建物査定ゼロで売主が解体して売却という内容でした。相手側弁護士は、「(一部賃貸しているので)建物は利用価値があり、不動産鑑定士に鑑定を依頼すれば、建物の評価額が変わる」と言います。賃貸はたまたま知人に貸しているだけで、不動産会社からも賃貸物件としては期待できないと言われています。事務所は他に使えず、建物全体の老朽化が激しいため維持費もかかります。このような物件で、不動産鑑定士の鑑定結果が、不動産会社の査定と変わる可能性があるのでしょうか?あるとしたら、どのような評価方法で変わってくるのでしょうか?

★不動産鑑定士【守田 実】からの回答

守田 実不動産の鑑定評価におきましては、対象不動産の効用が最高度に発揮される可能性に
最も富む使用(最有効使用)を前提として把握される価格を求めます。

この場合の最有効使用とは、客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による
合理的かつ合法的な最善の使用方法を言います。

したがって、現実の使用方法は、必ずしも最有効使用に基づいているものではなく、不合理な又は個人的な事情による使用方法のために、当該不動産が十分な効用を発揮していない場合もあります。

本件につきましては、A社は建物は老朽化しているが、現状のまま第三者に売れると判断しています。B社は建物は老朽化した二世帯住宅でかつ一部事務所的な利用をしているから、取り壊して更地にしないと売れないと判断しているようですね。いずれにせよ、建物の築年数が古いことから建物は使用価値を有するものの、市場価値は無
いと判断しているようです。

ところで、弁護士が、「一部賃貸しているので建物は利用価値があり、建物の評価額が変わる」との見解があるとのことですが、一概にそうとは限りません。

前述したように、不動産の鑑定評価は最有効使用を前提にする価格を把握することが本質ですから、まず、不動産鑑定士が地域分析及び個別分析を行い市場において最善の使用方法は何かということを調査することから始まります。

建物を取り壊す方が良いのか、そのままで賃貸需要があるのかどうか等は現実に不動産を調査してみないと分かりません。つまり、建物が古いという事情のみで建物価格をゼロ以下(取り壊し)という結論には達しないということです。

全ては、市場が決定することです。

仮に、建物を存続させることが妥当と判断するならば、土地・建物一体としての収益還元法を適用します。収益還元法は端的に言えば、当該不動産を賃貸した場合において、どれだけ儲かるのかという考え方です。弁護士が不動産鑑定士に鑑定依頼するならば建物の評価額が変わると言っているのは、本件建物の現況賃貸している部分の賃
料と住居部分を賃貸想定した場合における収益価格は、土地のみならず建物が寄与しているわけだから、建物にもその収益価格の配分として、価値があると考えているのではないでしょうか?

おそらく、建物の再調達原価から減価額を控除して求める原価法を適用すると、本件建物の構造が木造ならば、既に経済的耐用年数は超過していると思われることから建物価格は限りなくゼロに近いでしょうが、収益価格を適用するならば、もしかしたら原価法による価格を上回る場合があるかも知れません。

>>不動産鑑定士【守田 実】のページはこちら

★不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】からの回答

伊矢野 忠寿ご相談頂き、ありがとうございます。

結論を言うと、不動産会社の査定とは変わる可能性があります。
逆に変わらない可能性も有ります。

我々不動産鑑定士は、第三者の意見を元に評価することはないので、質問内容の中で
「賃貸物件としては期待できない」「事務所は他に使えない」とあっても、それを最初から検証します。
現況での売買を専門とする不動産業者と違って、不動産鑑定士は有効利用についての見識が高く、
一つの不動産について、様々な利用方法を検討していくので、判断が変わる可能性が有ります。

また「老朽化が激しいため維持費がかかる」ということですが、どれほどの維持費がかかるのか明確ではありません。
ですから、それらの判断が変われば、自ずと評価は変わってきます。
一度ご相談ください。

>>不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】のページはこちら

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