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不動産鑑定士が答える不動産の無料相談

【皆様からのご相談内容と不動産鑑定士の回答】

相談No.110
●相談者:まるさん(神奈川県)件名:土地の規制と保証のバランス

新築建売住宅の購入を検討しています。土地も広く、日当たりもよいため気に入っています。しかし、各種規制が該当する区域に指定されていて、急傾斜地崩壊危険区域、市街化調整区域、宅地造成規制区域です。過去に古い家屋があったため、再建築できたようで、今後の再建築も同じ手続きにより可能といわれました。造成規制のためか、建物背後のくだり傾斜の擁壁はなく、木が生える自然斜面で、手を加えていないほうが逆に地盤は強い、盛土も切土もしていないといわれています。
瑕疵保険建物10年、地盤保証20年がついているので、あまり心配しなくてもよいのかなとも思うのですが、どうなのでしょう か。やはり急傾斜地崩壊の指定区域は、近年の気象状況も考慮し、避けるべきでしょうか。あまり危険性の高い土地なら、保険や保証をつけることができないの ではと思うのですが、どうでしょうか。

★不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】からの回答

伊矢野 忠寿ご相談いただきありがとうございます。

残念ながら、保険や保障は「何かあったら直します」というものですから、
絶対に大丈夫という条件は一つも無いように思います。
リスクをとっても、広くて日当たりがよい土地を選ぶのか、
リスクはとらずに広さも日当たりもまあまあの土地を選ぶのか、最後はご自身の判断です。

どうしてもどちらか決めろといわれた場合、自分だったらよほどピンと来なければ買わないと思いますが、逆に現地を見て気に入ってしまったら買うかもしれません。不動産は縁ものですから。

>>不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】のページはこちら

★不動産鑑定士【守田 実】からの回答

守田 実まず、宅地造成工事規制区域ですが、神奈川県内、特に横浜市や横須賀市、三浦市などの丘陵地の多い地域には普通に指定されています。これは殆ど問題がないでしょう。

次に市街化調整区域ですが、ここで注意しなければならないのは、本当に再建築が可能かどうかということです。これは重要です。

必ず不動産業者に市や県の見解を踏まえて確認(なぜ建てられたのか、再建築が現行法で可能かという資料を貰う)する必要があります。

そして重要事項説明書に再建築が可能ということを明記して貰いましょう。

今回のご質問で一番の問題点は対象地が市街化調整区域に指定されているところです。

急傾斜地崩壊危険区域に指定されているということですが、この区域の名称がとてもまずいですね。危険区域と書かれているととても不安になります。

けれど、急傾斜地崩壊危険区域というのは、むしろ安全な区域と言えます。

この点、一般の人はもちろん不動産業者さんもあまり理解されていないようですね。

急傾斜地崩壊危険区域は、単純に言えば、崩壊等の可能性のある自然崖について、崖が崩壊した場合に影響がある区域を定め、区域指定後に、県が擁壁を施工し、崖崩壊による災害を未然に防ぐために指定する区域です。

まず、崖の崩壊等に影響がある住民の申請により、住民主催により県が説明会を行い、要望等を聞いたうえで、全員の合意を前提として、県が急傾斜崩壊危険区域を定めます。

その後に、堅牢な擁壁を県の事業(無償)として設置します。

神奈川県ではこうした申請が多く、区域指定から擁壁施工までにおよそ5年~7年を要している状況です。

神奈川県の当該事業の概要は以下を参照してください。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f507/p6332.html

つまり、急傾斜地崩壊危険区域というのは、基本的には県施工の擁壁により安全性が担保された区域ということになりましょう。

この点、よく似た法律で、土砂災害防止法(土砂災害警戒区域)等では、単に土砂災害の危険性があるということを住民等に周知させるのみで、県等が擁壁等を施工するわけではありませんので、その地域の安全性が担保されるわけではありません。

言葉の持つインパクトは強いですが、急傾斜地崩壊危険区域に指定されている方がむしろ安全という結果になると思います。

本当に、急傾斜地崩壊危険区域に指定されているならば、それは崖崩落の影響がある区域なので、現在、何も擁壁等が施工されていないということであれば、不動産業者に区域の範囲と事業の進捗(区域指定が先行するので、現在は未だ未施工の状態にあるのかもしれません)等について確認をしてもらう必要がありますし、当該事項(詳
細)は重要事項説明書に明記してもらうべきです。

蛇足ながら、市街化調整区域は原則として住宅等の建築が制限されている区域です。

したがって、基本としては、ライフライン(特に下水道や都市ガス)の整備及び道路の整備が遅れている場合が多い地域です。したがって、需要の求心力に劣り、価格は安いはずです。

最後に、住宅というのは大げさに言えば家族の生命を守るということが第一条件となる耐久消費財ですから、保守的に考えた方が良いと思います。

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