売却したい物件を魅力的に見せて販売に繋げるホームステージングには、主に5つのテクニックと呼べるコツがあります。1つは生活をイメージできる家具の配置や照明で、家具は最初に目に入る大きな物から選んでいくのが正解です。色合いや質感が大切なポイントですから、センスを生かして選んだり配置することが大切です。また魅力的に見える観葉植物などのワンポイントを加えると、雰囲気が更に良くなって訴求力が高まる利点に繋がります。
照明は器具にも拘りたいところですが、照明の明るさもまた印象を大きく左右する大切なポイントです。薄暗いと気が滅入ったり気持ちまで暗くなりますし、一般的な生活における明るさはホームステージングには物足りないので、普段よりも明るめに設定するのが良いです。実は、住宅の印象は最初の数秒で決まるといわれていますから、第一印象を重視して、どのように見えたり感じるかを考えながら演出を加えましょう。
住宅といっても人によって求めるものは異なりますから、購入希望者が何を求めているかを把握した上で、最適なホームステージングを行うのが理想的です。基本的にはあれもこれもと余計な物は置かず、本当に見せたい物だけを置いて雰囲気を作ることが大事です。物を減らすホームステージングをすると、ミニマリズムを希望する人にも訴求できることになります。家具も照明も脇役で、主役はあくまでも物件そのものですから、主役を引き立てる意識で演出です。
これはモデルハウスなどでも活用されているテクニックですが、いわゆる動線を考えた家具の配置も効果的です。動線は人がどのように移動するか、それを表すラインのことで、動線を意識すると動的に住宅を魅力的に見せられる利点が生まれます。動線を考える上でのコツは、足取りのシミュレーションと移動しながらどこにどう視線を向けるかです。何に注目するかが分かれば家具の配置も演出もやりやすくなるので、やはり動線を考えながらホームステージングに取り組むことが重要です。
逆に目を引き過ぎたり、印象に悪影響を及ぼすものについては隠すのが有効です。隠すというと都合が悪いことを見せないネガティブなイメージですが、この場合は見せたいものを邪魔してしまう個性が強いものを隠す意味です。確かにインパクトは薄れてしまうので、印象に残る見せ方が難しくなるのはデメリットでしょう。しかし、住宅全体を満遍なく見せられることに繋がりますから、各部屋の魅力を引き立てる演出を行えば大丈夫です。