不動産価格の評価は様々な基準で行われることが多いのですが、不動産会社が行う場合と鑑定士が行う場合とではその基準が異なるため、必要に応じてその双方に依頼をすることが必要となります。良心的な不動産会社の場合には自社にて鑑定士を手配し、その結果をもとに最終的な判断をすることが多いのですが、一般的にはその会社の社員が自ら査定を行い、売却価格を提案することも多いので、注意をしなければなりません。
鑑定士が不動産価格を評価する場合には、様々な不動産の鑑定に関する要素を確認して行うことになります。その1つが建物自身の外観です。これは外見的に美しい状態を保つことができているかと言う非常に抽象的な判断となりますが、外壁にひび割れ等が発生していたり、変色等が発生していた場合には売却する場合の評価が下がることから査定価格が下がる原因となります。
さらに、あまり意識されないポイントとしては境界の明確さがあります。不動産を所有する場合にはその境界線が明確になっていることが必要と考えられるのですが、特に古い物件の場合などはその境界範囲が曖昧になっていることも多いため、これがそのまま登記されていることも少なくありません。特に隣の価格との間に明確な境がない場合には特に隣の価格との間に明確な境がない場合には、この境界が曖昧に定義されていることも多いのです。従来はブロック塀などが建てられることも多かったのですが、そのブロック塀の内側なのか外側なのかによっても判断が分かれることが少なくありません。特に古い物件ではその判断が曖昧なまま放置されていることが多いため、このような問題があると査定価格が低くなりがちです。
鑑定士はこのような基準を判断する知識を独学で学んでいる場合も少なくありません。そのため人によってその判断基準が異なってくることが予測され、どの人を選ぶかによっても査定価格が変わってくることも多いので注意が必要です。
不動産会社の社員が査定を行う場合には、基本的に売却可能性やそのためのコストなどを十分に考慮した上で判断することが多く、一般的には相場よりも低くなってしまうことが少なくありません。しかし、様々な販売戦略のもとで価格を査定するため、場合によっては相場に合わない金額となることもあるので注意が必要です。不動産会社によってもその金額が異なるため、査定を行う際には複数の会社に依頼し、不動産鑑定士の評価も参考にしながら最も相場に近いところを選ぶことが必要となってきます。