先日、50歳を目の前にしたサラリーマンの方から、「仕事を辞めず独学で不動産鑑定士試験にチャレンジしてみたい」というご相談を受けました。このコラムの読者の方も同じ様な境遇の中で、悩まれている受験生の方もいらっしゃると思いましたので、コラムを投稿してみました。
受験生の置かれている環境は様々です。勉強をするための全ての環境が整っているというような恵まれた人は不動産鑑定士の試験を受ける人には意外と少ないのです。
不動産鑑定士を志す方々の基礎的な能力には、大差は無いと思います。
ですが、合格をしたいという強い「意志」と勉強に充てる「時間」と予備校に通う費用やテキスト購入に係る「お金」については、人により大きな格差があると思います。
これら「意志」と「時間」と「お金」の相乗効果により、合格の可否が大きく左右されるのではないでしょうか。
先のサラリーマンの方は「お金」と「意志」はあるようですので、「時間」をやりくりすることが大切です。通勤途中や細切れの時間を上手く活かすことです。土日が休みならば、「お金」をかけて予備校に通うこともできますし、予備校の授業のDVD等を購入するなどして通学の時間を節約するとこも可能です。
一般論ですが、独学で合格するのはかなり難しいでしょう。地方にお住まいとか経済的な事情もあるかとは思いますが、少なくとも何らかの形で予備校のテキストで学習したり、答案練習会に参加されたりすることをお勧めします。
先ほど述べましたように、DVDもありますし、答案練習会も通信でも可能です。試験に係わる一定の「情報力」も大切ということです。
地方の不動産鑑定士事務所に補助者として勤めながら10年を超える歳月を経て、合格した人も多いです。不動産鑑定士という専門家としての能力を開花させるためには、不動産鑑定士事務所に勤務し実務を覚えながら、勉強もコツコツ積み上げていく方法もあります。強く継続的な「意志」力が必要ですが・・・。
また、今の試験制度では、全く実務を行わないで開業することが可能ですが、この場合、開業後、多様な不動産の鑑定評価を行う実務の場面で苦労が絶えないのも事実です。
合格することは単に通過点に過ぎないのです。
冒頭で、合格するには「意志」、「時間」、「お金」が大きなファクターと述べましたが、「時間」と「お金」は何とか工夫ができますが、「意志」がなければ、合格には絶対につながりません。どんな環境にあっても負けない強い継続的な「意志」力を持って下さい。 合否は紙一重です。自分に納得できるような勉強ができたなら、合格という目標は達成できるものと信じております。