不動産を売ろうとするときに気になるのが、その価値がどうなるのかということです。自宅を売りに出そうという場合、どれくらいで売れるのか見当がつかないと思っている方も多いでしょう。そのままの状態で売り主と交渉することで、本来の価値よりも安く買いたたかれてしまうことがあります。不動産の価値を知り、それをもとに交渉することは価値の大きな不動産だからこそ重要になってきます。また、売る場合だけではなく、相続する場合などにも価値をきちんと把握しておく必要が出てくることがあります。特定の相続人が不動産を引き継ぎ、ほかの人には金銭を渡す形にする場合です。いくらの金銭を渡すことが必要になるのか、計算の基準となる不動産の価格を把握しなければ話が進みません。
そこで重要な役割を果たすのが不動産鑑定 士という専門家です。この鑑定士について事前に知っておきたいポイントについてみていきましょう。
不動産鑑定士は誰でもなれるというものではありません。鑑定にあたっては不動産や権利関係に関する高度な知識が必要となってきます。そのため、試験を受けてさらに実務修習を受けた人が不動産鑑定 士として認められることになるのです。こうした難関を突破してきた専門性の高い方ということで、一定の能力があると信頼できるといえます。
不動産鑑定 士は独立して開業している場合と、企業に勤務している場合があります。不動産取引などを日常的に行う企業では内部に鑑定士がいる可能性も高いです。一般の方がお願いをする場合には独立開業をして事務所を設けている方にお願いすることもあるでしょう。もともと知っている事務所がある場合はそこでお願いすることになるでしょうし、場合によっては紹介を受けることになります。売買の相手方など利害関係のある方からの紹介の場合には、きちんと資格を持った専門家なのかどうかなどについて確認しておくのがおすすめです。
もちろん専門家に鑑定してもらうことで安心できることはありますが、自分でもある程度調べておき、予測を立てておくことも必要になります。周囲の売買事例があればそういった価格を見ておいたり、新聞で地価などが出てきたら参考にしてみるとよいでしょう。そうすることでもしも納得がいかない結果が出た時に、そのまま流されるのではなく事情を聴くことができるからです。条件などで価値の上下がある可能性もありますから、説明があれば納得できるケースもあるはずです。